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どこへ行けばいいか

警察署、公安委員会、運輸支局、軽自動車検査協会。名前は聞いたことがあっても、どれが何を担当するのかは分かりにくいところです。3分野の手続きがどこへ行き着くのかを、根拠条文つきで整理しました。

2026年8月17日時点 | 根拠条文は各項目に明記(出典は本ページ末尾)

01窓口は4つ。うち2つは「警察」ですが、別ものです

3分野に出てくる相手は、次の4つです。

  • 警察署長 ── 車庫証明を交付するのは警察署長です。公安委員会ではありません(保管場所法第4条第1項)。
  • 都道府県公安委員会 ── 古物商の許可を出すのはこちらです。申請書の提出先も公安委員会と条文に書かれています(古物営業法第5条第1項)。ただし実際には所轄の警察署を経由して出します。
  • 運輸支局 ── 自動車の登録と、軽貨物(黒ナンバー)の届出。条文上の相手は国土交通大臣で、その窓口が運輸支局です。
  • 軽自動車検査協会 ── 軽自動車の検査事務を行う法人です(道路運送車両法第76条の2)。国の役所ではありません。
「警察に出す」で一括りにすると間違えます。車庫証明は警察署長が交付するもの、古物商許可は公安委員会が出すもの。権限を持っている主体が違います。どちらも建物は警察署なので、同じに見えてしまいます。

02手続きごとの行き先

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権限を持つ主体条文上の相手 実際に行く場所窓口 根拠
車庫証明
保管場所証明
警察署長 保管場所を管轄する警察署
(交通課の車庫証明窓口)
自動車の保管場所の確保等に関する法律第4条第1項
保管場所の
変更届出
警察署長 変更後の保管場所を管轄する警察署 第7条
自動車の登録
移転・変更・抹消
国土交通大臣
(条文では「行政庁」)
運輸支局
(使用の本拠の位置を管轄)
道路運送車両法/保管場所法第4条第1項が「当該行政庁に対して」と規定
軽自動車の
ナンバー・検査
軽自動車検査協会
(国の役所ではありません)
軽自動車検査協会の事務所 道路運送車両法第76条の2(検査事務を行う法人)
軽貨物
経営の届出
国土交通大臣 運輸支局
(ナンバーは軽自動車検査協会2か所に分かれます
貨物自動車運送事業法第36条第1項/同法施行規則第33条第1項
古物商許可
新規・変更
都道府県公安委員会 主たる営業所を管轄する警察署
(生活安全課・防犯係)を経由
古物営業法第5条第1項(提出先は公安委員会)/経由と窓口は警視庁の案内

2026年8月17日時点で条文と警視庁の案内に当たって確認しました。窓口の課の名称(生活安全課・防犯係など)は都道府県により異なります。

03「管轄」の決まり方が、手続きごとに違います

いちばん多い間違いは「自宅の近くの警察署へ行ってしまう」ことです。管轄を決める基準は、手続きごとに別々に定められています。

車庫証明

基準は「保管場所」

自宅ではなく駐車場の所在地を管轄する警察署です。自宅から離れた月極を借りていれば、行き先はそちらになります。

保管場所の所在地
保管場所の変更届出

基準は「変更後」

条文は「変更後の保管場所の位置を管轄する警察署長」と書いています(保管場所法第7条)。元の駐車場の管轄ではありません。

変更後の保管場所
古物商許可

基準は「主たる営業所」

自宅を営業所にしているなら自宅の管轄ですが、店舗や事務所が別にあればそちらです。営業所が複数あるときは「主たる」ほうで決まります。

主たる営業所の所在地
自動車の登録

基準は「使用の本拠の位置」

所有者の住所とは限りません。その車を実際に使う場所で決まり、ここが変わると変更登録の対象になります。

使用の本拠の位置

04軽貨物で開業すると、2か所を回ります

軽貨物(黒ナンバー)は1か所では終わりません。役割が法律上まったく別だからです。

  • 運輸支局 ── 貨物軽自動車運送事業の経営届出。相手は国土交通大臣です(貨物自動車運送事業法第36条第1項)。「あらかじめ」出す事前の届出です(同法施行規則第33条第1項)。
  • 軽自動車検査協会 ── 黒いナンバープレートの交付。こちらは軽自動車の検査事務を行う法人で(道路運送車両法第76条の2)、国の役所ではありません。
普通車の登録は運輸支局で完結しますが、軽自動車のナンバーは軽自動車検査協会です。「軽自動車のことも運輸支局がやってくれる」と思って行くと、もう一度別の場所へ行くことになります。

手順は クロナビの開業ガイド → に順番どおり書いています。

05古物商だけ、条文と実務で提出先の書き方が違います

古物営業法第5条第1項は、許可申請書の提出先を「主たる営業所又は古物市場の所在地を管轄する公安委員会」と書いています。ところが実際に申請書を持って行くのは警察署です。

警視庁の案内は、変更届出について「その営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長を経由して」と書き、申請・届出場所を「営業所又は古物市場を管轄する警察署(防犯係)」としています。権限を持つのは公安委員会、受け取る窓口は警察署という関係です。

条文だけを読むと「公安委員会はどこにあるのか」で詰まります。公安委員会に直接出向く窓口はありません。警察署へ行けば正解です。

なお、公安委員会の管轄区域をまたいで主たる営業所を移すときの提出先は、移転後の所在地を管轄する公安委員会です(古物営業法第7条第1項かっこ書き)。期限は変更があったとき、いつまでに出すか → にまとめています。

06出典

  1. e-Gov法令検索「自動車の保管場所の確保等に関する法律」第4条第1項(「警察署長の交付する……書面」「当該行政庁に対して」)・第7条(「変更後の保管場所の位置を管轄する警察署長」)
  2. e-Gov法令検索「道路運送車両法」第76条の2(軽自動車検査協会は軽自動車の検査事務を行うことを目的とする法人)
  3. e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法」第36条第1項(経営の届出)
  4. e-Gov法令検索「貨物自動車運送事業法施行規則」第33条第1項(「あらかじめ」経営届出書を提出)
  5. e-Gov法令検索「古物営業法」第5条第1項(提出先は公安委員会)・第7条第1項
  6. 警視庁「書換申請・変更届出」(「所轄警察署長を経由して」/申請・届出場所は「営業所又は古物市場を管轄する警察署(防犯係)」)

本ページの記述は2026年8月17日時点で上記の条文・公的資料に当たって確認したものです。窓口の課の名称や受付時間は都道府県により異なります。

3分野を横断して読む

開業座には、分野別のガイドでは書けない「3つを横に並べたページ」を置いています。1つの分野だけを見ていると気づかないところが見えます。